めじろそらクリニックのblog

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2019年03月

カウンセリングって何するの?


こんにちは!
臨床心理士・公認心理師の澤地です。

とりあえず、カウンセリングを極めてシンプルに定義すると、


「カウンセラーと患者さんが対話を重ねながら、
患者さんの悩みになんらかの好ましい変化を与えようとする試み」

ということになるかもしれません。

つまり、「対話」といっても、
ただ単にカウンセラーがうんうんと頷いて
患者さんの悩みを聴いているだけではなく、

「好ましい変化を与える」という明確な目的に沿って
コミュニケーションを図るということになります。

 

 そして、そうした目的を持ったカウンセリングに臨む
カウンセラーの基本姿勢というものを、下記に列挙してみます。


・患者さんが自然に躊躇なく自分を語れるよう、

 積極的な姿勢で耳を傾け、
 患者さんの心境や悩みをそのまま受け入れ理解する。

・一方で、意図的に患者さんの話を引き出したり、
 不必要に話を深めたり、つらい体験を無理に思い出させない。
 話したくなければ、話さなくてもいいことを保証する。

・患者さんと協力して繰り返し問題点を整理し、
 問題が生じ、維持されているメカニズムを
 患者さん自身が把握できるよう「気づき」を促す。

・カウンセラーの人生観や価値観を押し付けない範囲で、
 必要に応じて日常生活のアドバイスやメンタルヘルスに関する教育を行う。

カウンセリング2










アメリカのTVドラマ『In Treatment のワンシーン 


「好ましい変化」であったとしても、「変化」には痛みが伴うことがあります。

変化を促すには、悩みという苦痛をつくり出している当の部分に
触れなければならなくなるからです。

上述したカウンセラーの基本姿勢は、
痛みによって変化の意欲が低下しないよう患者さんを支えながら、
患者さん自身が問題に向き合えるための工夫と言えるかもしれません。


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参考文献:

大野裕『保健、医療、福祉、教育にいかす 簡易型認知行動療法実践マニュアル』きずな出版、2018
笠原嘉『精神科における予診・初診・初期治療』星和書店、2007
滝川一廣「精神療法とはなにか」in『治療のテルモピュライ―中井久夫の仕事を考え直す―』星和書店、1998
東畑開人『居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書』医学書院、2019
光元和憲『内省心理療法入門』山王出版、1997

心の悩みを抱えているあなたへ
 

in all honesty therapy has saved my life so many times.

  if youre afraid to ask for help, dont be.

  u dont have to be in constant pain & u can process trauma.

  ive got a lot of work to do 

  but its a start to even be aware that its possible.
 

「実を言うと、カウンセリングは何度も私の人生を救ってくれた。

 一人でじっと辛い気持ちに耐えている必要はないし、

 人に助けを求める勇気さえあれば、トラウマに対処することだってできる。

 私にはまだたくさんやるべきことがあるけれど、

 それが可能だって気が付くことが第一歩なの」

アリアナ・グランデ 2018115日付のTwitterより

 


臨床心理士・公認心理師の澤地です。

 

患者さんから、「カウンセリングって何をするんですか?」

とご質問をいただくことがよくあります。


中には、「つまらない私の話なんか聞かされて、

カウンセラーさんが迷惑なんじゃないですか」とか、

「マインドコントロールされ、人格を変えられてしまいそうで怖い」

と言われる方までいて、驚いたこともあります。

 

人は特に心が弱っている時、不安やマイナス思考が強まる傾向があるので、

実際にカウンセリングルームの中で何が行われているかわからないと、

こうした極端なイメージを抱かれても仕方がないかもしれません。

 

いずれにしても、カウンセリングに興味はあるけど、

実際に受けるのは抵抗があるという方は、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そこで、今後数回にわたって、

カウンセリングとはどういうものなのかについて、

紹介していきたいと思います。


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巷では、「精神療法」「心理療法」「サイコセラピー」等、さまざまな名称が散見されます。
ここでは、精神科医や臨床心理士、公認心理師が、主に対話形式で患者さんの症状の改善を目指して行う療法を総称して、「カウンセリング」と呼ぶことにします。


名称未設定















アメリカのTVドラマ『In Treatment』のカウンセリング場面

私ごとですが、先日風邪をひいてしまいました。
朝起きた時に「喉が痛いな」と感じたので、熱を測れば36度、まあ平熱。

「この時期だから乾燥して喉を痛めたかな」と考えていました。
それが、夕方にかけて腹痛、頭痛、吐き気…と悪化。

夜には熱が38度まで上がり、病院に駆け込んで診てもらったら風邪でした。
風邪をひいた原因はなんとなくわかります。



……週末、遅くまで遊んでいました。



風邪は誰でも引きます。
では、私たちのクリニックが専門とする精神・心療内科の病気は…?


風邪の症状は様々で、
喉の痛みで咳込んだり、鼻づまり、熱っぽかったりと
自分の体感的な異変に気付きますし、

他の人から見ても「あの人、具合悪いんだな」と感じられます。

しかし、心が疲れている時には、〇〇が痛い!苦しい!というより、

言いようのない怠さだったり、
なんとなく寝られない、ご飯がおいしくない、やる気がおきない

という、漠然とした症状が先に出てきて、
自分すら気付かないうちに発症している場合があるようです。



実際、初めての方から予約の電話を受ける際に

「頭やお腹が痛いから、
〇〇科で精密検査をしてもらったけれど、問題なかったです。
だから、精神・心療内科に相談してみては?
と言われて、こちらに電話しました」

と言われるケースもしばしばあります。

その後で、
「まさか自分が精神・心療内科に来るなんて思わなかった」
とおっしゃる方もいました。


自分はメンタル不調にならない、大丈夫
と思っている方は多いのではないでしょうか。

私自身も、手洗い、うがい、しっかりしてました。
風邪にならないと思ってました。

自分がしっかりしていても、
周りからの影響(タイミングや出来事)であったり、
逆にしっかり(がんばり)しすぎてしまうから。

小さな出来事も、積もり積もれば大きな波となって
自分へと押し寄せて
体調を崩してしまうことがあるのだと思います。


異変の出方は人によって異なります。
いつもの自分とどこか少し違うな、
ということが続きましたら、一度ご相談ください。

また、本人が受診に抵抗がある場合、
家族の方からのご相談も承っております。
お電話で予約の際、お申し出ください。
  *家族相談は保険適応外の相談になります。

↓ 風邪が移されないように逃げるA家の愛犬  

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